コードバンという革に興味がある方でしたら、一度は「HORWEEN」というは名前を聞いたことがあるのではないでしょうか!
しかし、これからコードバン製品をご使用いただく方の中には、はじめて聞く方もいるかもしれません。
ということで、今回は世界中に愛好家がいる「ホーウィン社」について、コードバン専門店である塩原レザーの塩原朋和が詳しく紹介したいと思います!
この特集記事を最後までご覧いただきますと、以下の内容が分かります。
- ホーウィン社とは
- ホーウィン社が製造する革
- ホーウィン社のコードバンの特徴とは
- ホーウィン社の様々なコードバン
- コードバンのカラーサンプル
はじめて当サイトへお越しいただいた方もいると思います。
本題に入る前に、この記事を書いている塩原レザーについて簡単にご紹介をさせていただければと思います。
2008年にブライドルレザーの専門店として塩原レザーは創業しました。
2016年からはコードバンを定番素材に加え、ブライドルレザーとコードバンの専門店として運営しております!
コードバンもブライドルレザーも、製造をする業者や仕上げ方法によっても風合いや印象など素材感が異なります。
塩原レザーでは10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、製法にも拘って製品の製作を日々行っております。
なお、塩原レザーについてより詳しいページは下記のリンク先からご覧いただけます。
ホーウィン社とは
ホーウィン社は、アメリカ第3の都市であるシカゴに所在する100年を超えるタンナーです。
タンナーとは、生の皮(スキン)を腐らないように革(レザー)へとなめす業者のことです!
なお、ホーウィン社では、革への染色などの最終工程も一貫して行っている業者です。
1905年に創業したホーウィン社は、創業時から同族経営を行っており、現在は5代目となり歴史が長く世界的にも非常に有名な革を製造する業者です。
ホーウィン社が製造する革
ホーウィン社が製造する革は、コードバンだけではなく用途に合わせた牛革などの製造も盛んに行われております。
特にアメリカンフットボール、バスケットボールに使用されるボール用の革や野球のグローブ用の革まで種類は多いです。
また、クロムエクセルという革の内部に多く油脂成分を含んだ牛革は、近年、革小物はもちろんバッグから靴の素材まで使用されていて非常に人気があります!
ホーウィン社のコードバンの特徴
ホーウィン社で製造されているコードバンは、オイル仕上げのコードバンです。
オイル仕上げのコードバンとは、革の折れ曲がる部分が割れないように革の内部に油脂成分を多く含んだ製造です。
オイルコードバンについて、より詳しい特集記事がございますのでよろしければ合わせてご参照ください。
なお、このオイル仕上げのコードバンは、ホーウィン社が開発したと言われています!
主に高級靴のアッパー素材や高級時計のベルトの素材として使用されております。
ホーウィン社のコードバンは「シェルコードバン」と言われることが多いですが、特に他のオイルコードバンとは変わりません。
これはコードバンの形が貝殻に似ているからなど由来は諸説あり、欧米ではコードバンとは呼ばず略して「シェル」などと呼ばれることもあります!
シェルコードバンの風合い
オイル仕上げのコードバンの為、革に触れると湿ったようなヌトッとした触り心地で、オイルが含まれていることから重さも感じます。
革への染め付けは、直接、革の表面に行われるため、天然素材らしい風合いで、1枚1枚異なる形状をしております。
また、革の表面は最終工程でメノウと呼ばれる鉱物で磨き上げられ、独特の光沢感があります!
なお、長く保管をしていると革の内部から油脂成分が表面に出てくることがあり、ブライドルレザーのようなブルームで表面を覆うこともあります!
シェルコードバンの手入れ
ホーウィン社に限らず、オイル仕上げのコードバンは基本的に繊維が表面に出ている状態なので、ご使用いただいている間に繊維が立ち上がり、触り心地にザラ付きを感じることがります。
このような場合には、繊維を寝かせるなどの処置が必要となり、比較的メンテナンスに手間が掛かる素材です。
革の内部に油分が足りなくなってきた場合には、オイルを加える必要があります。
しかし、オイルを表面から加えると、表面はマットな風合いになるので見た目が変わります!
また、表面に水滴が付き、放っておくとその部分が「水ぶくれ(ブク)」を起こします。
これは繊維が水分で膨張し、乾燥しても跡が残ってしまうので注意が必要です!
水ぶくれの跡をもとに戻すことは、基本的にできないため、水ぶくれの周りを水分を含んだクリームなどを使用し、目立たなくすることが唯一の対処方法です。
日常の手入れは、上級者でない限り水溶性の用品よりもワックスで行うことをおすすめいたします!
オイル仕上げコードバンの手入れ方法は、下記のリンク先にて詳しく解説をしています!
ホーウィン社の様々なコードバン
ホーウィン社のシェルコードバンは、年を追うごとに進化をしておりオリジナルのコードバン以外にも現在は様々なコードバンがあります。
ホーウィンスタンプとは
ホーウィン社が製造したコードバンの背面には、ホーウィン社のロゴのスタンプが押されています。
これは、ホーウィン社で製造したコードバンである証です!
通常は、このスタンプ面が押されているのは背面であるため、背面側は見えない場合となり隠れてしまいます。
そういった要因から、あえてこのスタンプ面を製品の表側に使用した製品があり、一部の愛好家から人気があります。
ホーウィンスタンプについての詳細は、下記のリンク先により詳しく解説しています!
ホーウィンゴーストスタンプとは
ホーウィンゴーストスタンプは、ライトブラウン系カラーの表側の面にホーウィンスタンプが染み出てしまうイレギュラーな素材です。
ここ最近は、このゴーストスタンプ化を防ぐため、バーボンやナチュラルなどのカラーにはスタンプを押印しない傾向にあります。
そういった意味合いから、ホーウィンコードバンの中で今やもっとも希少なパーツで幻の存在と言われています!
ホーウィンゴーストスタンプを使用した製品の販売ページは下記のリンク先をご覧ください。
型押しコードバンとは
一部の愛好家の間で話題となっているオリジナルのシェルコードバンに型押し加工を施した素材です。
扱われる地域によってその名称は異なり、本場であるアメリカでは“型押し加工を施した”を意味する「ボックスボーデッド」と表現されています。
また、紳士靴などが有名な英国では、革の表面の“陰影”を意味するハッチと呼ばれ、「ハッチグレイン」や「ロシアンハッチ」などと呼ばれることがあります。
なお、日本では型押し加工を施したレザー全般のことを”型押し革”や”エンボスレザー”などと呼ばれることが多いため、塩原レザーではこの素材をホーウィン社の「型押しコードバン」として表現しています。
日本国内において、このホーウィン社の型押しコードバンが1枚革で輸入されることが極めて少なく、新たな希少素材と言えます。
この型押しコードバンを使用した製品の販売ページは、下記のリンク先よりご覧いただけます!
ナチュラル色のアングレイズドコードバンとは
ホーウィン社のコードバンは、皮から革へと鞣した後に染色をし、艶出し加工を施すのがオリジナルのコードバンです。
このタイプは鞣し工程以降の加工を行っていない素材で、日本では一般的に“素上げコードバン”などと呼ばれます。
本国であるアメリカや一部の愛好家からは、この素材のことを“Unglazed Natural”と呼ばれています。
Unglazedとは、艶出し加工を施していないことを意味し、染色も行っていないことから「アングレイズド・ナチュラル」いう名称です。
なお、塩原レザーでは「ナチュラル(艶出し加工なし)」と表現しています!
また、型押しタイプと同様に1枚革で輸入されることが極めて少なく希少素材と言えます。
このナチュラル(艶出し加工なし)を使用した製品の販売ページは、下記のリンク先よりご覧いただけます!
シェルコードバンのカラーサンプル
ホーウィン社では、定番のブラックカラーから生成り色のナチュラルまでカラーは様々です。
塩原レザーで扱うカラーは、現状、以下の通りとなっております!
ブラックからナチュラルまで、濃い色から淡い色の順番に掲載しています。
カラー選びなどの際にお役立てください!
なお、より詳しく解説をした特集記事がございますので、よろしければ下記のリンク先よりご覧ください。
ブラック
ネイビー
インテンスブルー
グリーン
#8(バーガンディ)
ウルトラバイオレット
ダークコニャック
アルマニャック
ガーネット
#4
#2
バーボン
ナチュラル(グレイズド)
ナチュラル(アングレイズド)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ホーウィン社についてご紹介をさせていただきました。
なお、ホーウィン社以外にもコードバンを製造する業者はあり、下記の特集記事にてご紹介しておりますので、よろしければご参照ください。
また、当方で製造するホーウィン社製シェルコードバンの一覧は下記のリンク先にてご覧いただけます。