ロカド社のコードバンとは

コードバンという革が好きな方でも、「ROCADO」という名前は馴染みがないのではと思います!

世界的に屈指の皮革産業大国であるイタリアでも、現在、コードバンが製造されています。

そのコードバンを製造する業者こそロカド社です!

ということで、今回は「ロカド社」について、コードバン専門店である塩原レザーの塩原朋和が詳しく紹介したいと思います!

この特集記事を最後までご覧いただきますと、以下の内容が分かります。

  • ロカド社とは
  • ロカド社のコードバンの特徴とは
  • コードバンのカラーサンプル

はじめて当サイトへお越しいただいた方もいると思います。

本題に入る前に、この記事を書いている塩原レザーについて簡単にご紹介をさせていただければと思います。

2008年にブライドルレザーの専門店として塩原レザーは創業しました。

2016年からはコードバンを定番素材に加え、ブライドルレザーとコードバンの専門店として運営しております!

コードバンもブライドルレザーも、製造をする業者や仕上げ方法によっても風合いや印象など素材感が異なります。

塩原レザーでは10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、製法にも拘って製品の製作を日々行っております。

なお、塩原レザーについてより詳しいページは下記のリンク先からご覧いただけます。

塩原レザーについて

ロカド社とは

ロカド社のタグ

ロカド社は、イタリアのトスカーナ州に所在する1990年に創業したコードバンを製造する業者です。

「ROCADO」という名称は、創業者の息子で現社長のRobertoと娘のCaterina、そして、創業者であるDorotaの頭文字から名付けられました!

元々は馬の原皮を取引する業者でしたが、息子である現社長であるロベルト氏がポーランド系イタリア人である自身の強みを活かし、コードバンの製造を始めました。

ポーランドでは今でも馬肉を食す文化があり、副産物として得られる原皮をコードバンなどの馬革へと活かされております。

なお、馬肉を食す文化は世界的に見ても数少ないため、馬の原皮は希少性が非常に高いのが現状です!

開発当初は、オイル分が染色の邪魔をし、見栄えの良くないコードバンを製造しておりましたが、研究を重ねてついに完成に辿り着きました。

ロカド社のコードバンの特徴

ロカド社のオイルコードバンの一枚革

ロカド社が製造するコードバンは、オイル仕上げのコードバンです。

オイル仕上げのコードバンは、折り曲げ部分の割れを防ぐために開発された製法です。

主に高級靴のアッパー素材や高級時計の革ベルトに使用されています!

オイル仕上げのコードバンについては、別に特集記事がございますので、よろしければご参照ください。

オイル仕上げのコードバンとは

皮革産業の大国であるイタリアでは、古くからバケッタ製法と呼ばれる革の内部へ多くの油脂成分を浸透させる製造が有名です。

それらの製法を活かし、ロカド社のコードバンは製造されています。

ロカド社のコードバンの風合い

 

ロカド社のコードバン

世界的にコードバンと言えば、オイル仕上げのコードバンを差すことが多く表面はグレージング加工が施されています。

オイルが浸透したこの素材の触り心地は、湿った感触で他のコードバンと比べて重さを感じます!

ロカド社とホーウィン社のコードバンの比較画像

そして、見た目ではホーウィン社のシェルコードバンと非常に似ております。

上記の画像は、左側がロカド社で右側がホーウィン社を比べた画像です。

並べて比べないと分からないレベルですが、左側のロカド社の方が表面にスムース感がある印象です!

色味についてもロカド社の方が、均一に染め付けされている印象があります。

天然素材のため多少の個体差はあるものの、ロカド社の方が全体的に纏まり感があり、ホーウィン社は毛穴の跡であるピンホールが目立つなどワイルド感を少し残した風合いです。

ロカド社のコードバンの手入れ

 

ロカド社製オイルコードバンの手入れ

ロカド社のコードバンの手入れは、一般的なオイル仕上げのコードバンの手入れとほぼ同じです。

しかし、オイル部分が多いので、新品時の湿った感触が減ってきた場合には、オイルを補給する手入れ方法をおすすめいたします!

ロカド社製オイルコードバンの水ぶくれ前の画像

上記の画像は、ロカド社製オイルコードバンの上に水滴とオイルを垂らした画像です。

左側が水滴で、右側が牛脚油です!

ロカド社製オイルコードバンの水ぶくれの跡-2

5分ほど時間を置いた後の画像です!

オイルは、革の内部に浸透して色味は濃く見えますが、表面の風合いはあまり変わりません。

しかし、左側の水滴の方は表面の光沢感が消え、表面はマットな風合いになり繊維に水分が浸透したため「水ぶくれ」が起きています。

このテストの結論から、手入れを行う場合には、水溶性のクリームを使用すると「水ぶくれ」を起こす可能性があるので注意してください!

表面のメンテナンスは、蜜蝋ワックスによる手入れを推奨します。

コードバンのカラーサンプル

ロカド社のコードバンのサンプル帳

ロカド社が製造するコードバンは、一般的なブラックやネイビーなどの他にブラウン系のカラーが充実しております。

製造の最終工程でグレージング加工が施されている為、表面は基本的に光沢感があります!

また、アニリン製法で染め付けがされているので、透明感のある見栄えです。

以下は、塩原レザーで取り扱うカラーのサンプル画像と色味の説明です!

ブラック

ロカド社のオイルコードバンのブラックは、アニリン製法の独特の透明感があるブラックです。

ロカド社製オイルコードバンのブラック

ネイビー

ロカド社のオイルコードバンのネイビーは、濃すぎず薄すぎずバランスの取れたちょうど良い色合いのネイビーです。

ロカド社製シェルコードバンのネイビー

ダークバーガンディ

ロカド社のオイルコードバンのバーガンディは、ダークブラウンに近いバーガンディ色で、赤み掛った色味は品の良さがあります。

ロカド社製オイルコードバンのバーガンディ

ブラウン

ロカドのオイルコードバンのブラウンは、日本人がイメージするブラウンに近い色味のブラウンです。

ロカド社製オイルコードバンのブラウン

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、ロカド社についてご紹介をさせていただきました。

なお、ロカド社以外にもコードバンを製造する業者はあり、下記の特集記事にてご紹介しておりますので、よろしければご参照ください。

コードバンを製造するタンナーについて

また、ロカド社のコードバンを使用した製品一覧は、下記のリンク先にてご覧いただけます。

ロカド社製オイルコードバンの製品一覧ページ!