ブライドルレザー製品を使用している方やご購入いただいた後に気になる案件が、製品や革の手入れ方法ではないでしょうか。
このページをご覧いただいている多くの方が、そのような手入れについての情報を探されていると思います。
そこで今回は、ブライドルレザー製品の手入れ方法をブライドルレザーの専門店である塩原レザーの塩原朋和が徹底紹介します!
結論から先にお伝えしますと、以下のような場合には手入れが必要です。
- 製品をより良い状態で長く愛用したい!
- ブライドルレザーの表面に引っ掛かるような感触がある。
- 製品の折れ曲がる部分の色が薄くなっている。
- ブライドルレザー製品に使用している金具が劣化してきた!
上記のうち、最初の項目は日頃から定期的に行うメンテナンスであり、残りは直ちに手入れを行うべき状態です。
一言に革のメンテナンスといっても、その内容は様々です。
今回は総合的な案内を目的としており、記事内の項目ごとにより詳しい内容へリンクできる内容となっておりますので、是非ご活用いただければ幸いです。
本題に入る前に、この記事の信頼性を高めるために塩原レザーについてご紹介させていただければと思います。
2008年にブライドルレザー専門店として塩原レザーは創業しました。
ブライドルレザーの本場である英国からさまざまな業者が製造をした本物のブライドルレザーに触れてきました。
それぞれ同じブライドルレザーといっても、製造をする業者や部位によっても風合いや印象が異なります。
当方では10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、ブライドルレザーの入手から製品作り、情報提供まで一貫して運営をしておりますので信頼できる情報をお届けできると思います。
ブライドルレザー製品の手入れについてお困りな方は、是非、この情報を活かしてより良い状態で製品をご愛用いただければと思います。
なお、当方について詳しく知りたい方は下記のリンク先をご参照ください。
ブライドルレザーを長く良い状態で使う手入れ!
ブライドルレザーは、馬具用の革として開発され、特に帯状の馬具用品に使用されるため耐久性は他の革に比べると丈夫です。
しかし、ブライドルレザー製品は革の価格が高いことから、製品代金も他の革製品を比べると高価な部類に入ります。
日頃のメンテナンスを行わなくても、比較的に一般の革よりは長くご使用いただけます。
ただし、高価な製品である以上、長くご使用したいと思っている方も多いはずです。
その場合には、日頃のメンテナンスを行っていただくことで、製品を良い状態で長くご愛用いただけます!
蜜蝋ワックスを使用した日頃のメンテナンス!
日頃から手入れを行っていくことで、製品を長く良い状態でご使用いただけます!
その方法は、最低限の手入れ方法として有効な蜜蝋ワックスを使用したメンテナンスです。
手入れをする間隔については、それは各製品の使用する状況やご使用状態などによって違うからです。
以下は、代表的な各製品の使用状況による手入れを行うべき目安の間隔です。
- ズボンの後ろポケットなどに収納して使用する財布や小銭入れなどは2、3ヵ月に一度
- バッグ類に収納して持ち歩く財布や手帳、名刺入れなどは半年に一度
- 外で毎日のように持ち歩くビジネスバッグなどは3ヵ月に一度
- 毎日のように使用するショルダー部位などを使用したベルトは半年に一度
- 毎日のように使用する油分の多く含んだベルトなどは一年に一度
蜜蝋ワックスのご使用方法は、専用のクロスや着古したTシャツのハギレなどを使用し、薄く延ばすようにブライドルレザーに塗り込むことがポイントです。
そして、ワックスを表面に塗り込んだ後に乾磨きすることが必要です。
蜜蝋ワックスのより詳しいご使用方法は、下記のリンク先をご参照ください。
ブライドルレザーの表面がひび割れしている!
ブライドルレザーの表面がひび割れしていたり、ザラザラしているような状態の場合は、革の内部の油分や水分が足りていない状況を意味する場合が多いです。
新品の状態の革は、革を製造する際に加脂工程などを踏み、繊維同士がコラーゲン物質などと絡み合って最適な状態となっております。
これを放っておくと、乾燥状況が加速しながら悪化します。
このような場合には、主に表面部分を手入れするワックスよりも、内部により保革作用のある浸透性の強いオイルやクリーム系の手入れ用品が有効でおすすめです!
革の表面にザラつくようになった!
ブライドルレザーの表面がザラザラしているような状態は、もともとフラットであった表面が細かくひび割れているか、繊維が逆立っている状況または表面が擦れている状態です。
このような場合には、ワックスで表面を覆うような手入れ方法よりも、クリームやオイルで繊維に栄養を与えて革に保革するような手入れ方法が有効です。
革の表面が割れている!
ブライドルレザーの表面が割れる状況になりやすいのは、革の表面が極端に折れ曲がるような場所と保革状態にない革を急激にいじる状況が多い場合です。
このような状態は基本的にもとには戻りませんので、これ以上、悪化しないように対処する手入れ方法が有効です。
革へ油分などを加えるのはもちろんのこと、時には革の表面を仕上げ剤でコーティングしてしまうことで進行を食い止める方法が必要です。
ブライドルレザーが濡れてしまった!
ブライドルレザーはもともとなめす(皮を革へする工程のこと)時に、ピット層という木から抽出されるタンニンエキスが溶け込んだ水槽に浸されます。
このことから決して、水分に弱いわけではありません。
ただし、水分には汗なども含まれ、これらが革の内部に浸透してしなうと、革がカビるなどの現象が起こります。
なお、上記の画像のように特定の場所だけに水分が浸透してしまうと、「ブク」というその部分のみ革が一時的に膨張し、乾いてもその跡が残ってしまう現象が起こります。
「ブク」の周りを水分で湿った布などを使用し、軽く磨くことで目立たなくはなりますが、もとに戻ることはないので梅雨の時期などは注意が必要です。
その場合は、防水スプレーなどで事前に対処しておくことがもっとも有効な手段です。
ブライドルレザーの色味が薄くなってきている!
ブライドルレザーに染色する方法は、革の表面や繊維に染料を何度も塗り重ね最終的に染料とごくわずかな顔料を使用しております。
製品を長くご使用いただいていると、時間の経過や日光に当たることで徐々に色味が薄まったり、革のすり減りによって繊維層が見えてくる場合があります。
その場合には、染料や顔料が入ったワックスやクリームを使用することで補色できます。
靴の手入れ用品のコーナーに、染料が入ったクリームやワックスがよく販売されているのはその為です。
しかし、財布などは衣類と触れ合うことが多いので、染料の入ったワックスなどで手入れを行う際は色移りしますので注意が必要です!
革の表面のカラーが新品時より薄くなった!
「革の表面の色味が新品時から薄くなった!」このような心境を描くことがあります。
ブラック以外のカラーの製品は、基本的にこのような状況になることはよくあります。
その場合は、染料や顔料入りの蜜蝋ワックスをご使用いただくか、染料で改めて染めることで、元に近い状態に戻すことができます。
なお、顔料タイプと染料入りタイプの使い分けは以下の通りです。
・染料タイプの蜜蝋ワックス:定期的に行う手入れで、全体的な色あせを補色
・顔料タイプの蜜蝋ワックス:部分的な色あせが激しい部分の補色と生成り繊維が見える状態を目立たなくする補修
コバ(革の側面)のカラーが新品時より薄くなった!
塩原レザーのブライドルレザー製品は、コバが徐々に薄くなることを想定しております。
上記より、濃いめのカラーのブライドルレザーのコバは黒く染めて本磨き加工を施しております。
コバの色味が薄くなった場合は、コバの手入れを行う前に革を染色しておくことをおすすめいたします!
ワックスなどでコバを磨いた後に染料を入れても染まらないことがあるからです。
床面(革の背面)の色味が薄くなり毛羽立っている!
製品を長くご使用いただくとコバ面などと同じように、ブライドルレザーの背面である床面の色があわせてくる場合があります。
また、床面を伝統製法による溶剤で磨いた仕様の製品は、繊維が毛羽立ってくる場合があります。
そういった場合には、染料や床面を磨く溶剤を使用し手入れを行うことができます。
製品の金具が劣化してきた!
革と同じように、製品に使用されている金具類も劣化します。
劣化することを想定して、日頃から手入れすることで長く良い状態でご使用いただけます。
金具類の劣化に関しては金具の素材によって、金具自体を取り換える必要がある場合もあるので、お買い求めいただいたメーカーに問い合わせることをおすすめします!
ファスナーの開閉時に金属が擦れるような感触がある!
ファスナーは金属と金属が擦れやすい製品であるため、油分を定期的に加えることで滑らかなご使用が可能になります。
長くファスナーを開閉しなかった場合なども、金属部分が曇り開閉しずらいことがあります。
このような場合には、専用のスプレーオイルを注すことで解決できます。
なお、ファスナー周りの布部分は、破れてしまうと取り換えることになりますので、ファスナーが開けずらい場合には強引に扱わないことをおすすめします!
ホックの締めた感触がなくなった!
財布の小銭入れ部分などに使用されるホックは、上記の画像の中央にある2本の針金によって開閉できる仕組みになっています。
この針金が1本でも折れたり、取れてしまうとカチッと閉まる感触がなくなります。
この場合には、基本的にご自身で元に戻すことができませんので、お買い求めいただいたメーカーにお問い合わせください。
塩原レザーの製品は、ホックは壊れやすいため取り換えることを前提に製作をしており、製品をお送りいただければすぐに取り換えることができます。
金具の表面が曇ってきた!
鍍金加工された金具や地金が表面に地金がむき出しになっている金具は、汚れがつく場合や長期間の保管で曇る場合があります。
また、上記の画像のように、真鍮など地金がむき出しになっている金具は、錆や緑青などが現れることがあります。
このような場合には、専用の溶剤やクロスで取り除くことができ比較的に簡単な手入れで元に近い状態に戻せます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
巷で人気のブライドルレザーを使用した製品をより良い状態でご使用いただくためには、日頃からの手入れを行うことをおすすめいたします。
また、メンテナンス用品の販売ページは下記のリンク先よりご覧いただけます。