ホーウィンコードバンは染料を使用した丘染め製法で染色され、透明感のある見栄えが魅力

新たにホーウィン社製シェルコードバンのバーガンディ色を使用して、ラウンドファスナータイプの財布を製作しました。

数年ぶりの入荷となるこのバーガンディ色ですが、相変わらず雰囲気のある色味です!

そこで今回は、完成した製品の紹介と共に、ホーウィンコードバンの染色やバーガンディ色について深堀をしたいと思います。

なお、当サイトへ初めてお越しいただいた方も多いと思います。

当サイトを運営している塩原レザーについては、下記のリンク先にて詳しくご紹介をさせていただいております。

コードバンとブライドルレザーの専門店である塩原レザーについて

ホーウィン社の伝統カラーであるバーガンディ色のコードバン

ホーウィンコードバンのバーガンディの1枚革

冒頭でお伝えをした通り、ホーウィンコードバンのバーガンディ色の入荷は数年ぶりです。

このバーガンディ色は、#8(ナンバーエイト)と呼ばれるホーウィン社の伝統カラーです。

久々にこの伝統カラーを見ると、初めてこの素材を手に取った時の感動を思い出します!

独特の色味の深さにオーラを感じ、コードバン特有の光沢感に気持ちが高ぶる何とも言えない素材です。

そして、ホーウィン社のシェルコードバン特有の香りがありますが、画像からではお伝え出来ないのが残念です。

こういった魅力に翻弄されることが多いこの素材ですが、画像を通してみるとダークブラウンのようにも見えます。

バーガンディという名称にピンと来ない方も多いと思いますが、「BURGUNDY」とはブルゴーニュのことでワイン色を意味しています。

1枚革からではなかなかこの深い色味が伝わりませんが、ホーウィン社の同素材の近いカラーと比べるとその色味具合は一目瞭然です。

バーガンディ色とダークコニャック色の色味の比較

上記の画像は、室内のやや暗めの状況で撮影をしたホーウィンコードバンです。

左側がダークコニャック色、右側がバーガンディ色

こうして比べると、はっきりと色味の特徴が比べられると思います!

左側のダークコニャック色は、純粋なダークブラウンの色味をしています。

そして、バーガンディ色は赤みを帯びた濃いめのブラウンと言った印象です。

光に照らしたバーガンディ色とダークコニャック色の色味の比較

さらに、明るい状況で撮影をした画像です。

こうして光などが当たると、より色味の違いがはっきりとお分かりいただけると思います。

特にバーガンディ色は特有の色味が出ている画像だと思います!

なお、ホーウィンコードバンは斜めにして見た時の色味と、真正面に見た時では色味の濃さが変わる魅惑の素材です。

角度によって色の見栄えが変わることについては、より詳しくお伝えをした特集記事がございます。

よろしければ、下記のリンク先にてご参照ください!

観る角度で色味が変わるホーウィンコードバンの財布

ホーウィンコードバンの染色は丘染め製法

ホーウィンコードバンのバーガンディの光沢感

ホーウィンコードバンはカラーに関係なく、オイル仕上げ製法で作られアニリン染色で仕上げています!

オイルが革の内部に多く浸透していると、色味が染まりにくい特徴があります。

上記の画像を見ると、全体が均一に染まっているわけではなく、所々、色味の染まり具合にムラがあるのをご確認いただけると思います。

この状況は、この1枚革が特別なわけではなく、毎回、同じような状態で、今回の1枚革の染まり具合は平均的な印象です。

色味の染まり具合にムラがあるのは、アニリン染めの特徴で染料の浸透具合によって染め付きが変わるからです。

また、光沢感の奥に透明感があるのもアニリン染めの特徴です!

木の皮のタンニンエキスに生皮を漬け込むという、環境にやさしく拘った製法である植物タンニンなめしの革でも、染色工程はセミアニリン仕上げの製法を採用することがほとんどです。

このセミアニリン仕上げは、染料に若干の顔料を加えて表面の染め付きをよくし安定した染色ができます。

しかし、顔料の分量が多くなればなるほど、その表面はマットな風合いになりやすく透明感が失われてしまいます。

こういった理由から、ホーウィン社のシェルコードバンは染料で染められているため透明感があるわけです!

さらに詳しく解説をすると、染色方法には大きく分けると染料を芯まで染め付ける“芯通し染色”と、表面のみを染め付ける“丘染め染色”の2タイプがあります。

ホーウィン社のシェルコードバンは、表面のみを染め付ける丘染め製法を採用しています!

1枚革ではその違いが分かりませんが、上記の画像のように革を裁断して断面をみると、その切り口は生成り色をしています。

これはもともとの素材自体の色味で、表面のように染料によって染まっていないことが分かります。

ホーウィンコードバンの断面

切り口をさらによく見てみると、表面に染めたバーガンディの色味の浸透はほぼないことが分かります。

革の厚みは約2mm厚ですが、浸透して染まっているというわけではなく、表面のコンマ数ミリのみ染まっている状態です。

芯通し製法で染色をすると、染め液を吸い込んだコードバン繊維が膨張し、乾燥によって元に近い状態に戻ります。

しかし、全く同じ状態に戻るわけではなく、乾燥後は各繊維によって戻り方に差ができ、若干のごわつき感がでます。

例えば、ご自身の髪の毛を染めた時に、染める前のナチュラルの状態の髪と、染めた後の髪では若干の違いを感じませんか。

それと同じような僅かな差であるものの、製品の製作をしていると意外と差を感じます。

芯通しの素材も人気があり多く見かけますが、できる限り素上げの滑らかな風合いを残した丘染めの素材を私はおすすめします!

なお、ホーウィンコードバンについて詳しく解説をした特集記事がございます。

よろしければ、下記のリンク先にてご覧ください。

ホーウィン社のシェルコードバンとは

完成したバーガンディ色(#8)の財布

ホーウィンコードバンのバーガンディ色の財布

製作前からイメージしていた通りに製品が完成しました。

一瞬、ダークブラウンに思える色味ですが、よく見ると赤みを帯びた独特のバーガンディ色がとても映えます!

独特の光沢感もあいまって、見る人が見れば“それ”と分かるオーラが漂う逸品です。

縦9cm×横20cmのラウンドファスナー長財布

キャッシュレス化が進む昨今ですが、まだまだ現金派という方にはこちらの長財布をおすすめします!

なお、内側素材は英国の伝統皮革であるセドウィック社製ブライドルレザーを採用し、ファスナーはシルバー色を合わせました。

販売ページはこちらから!

ホーウィンコードバンのバーガンディ

縦8.5cm×横13.5cmのラウンドファスナー財布

キャッシュレス化によって徐々に現金の使用が減り、最低限の現金を持ち歩きたいという方にはこちらがおすすめです。

こちらも内側素材にはセドウィック社製ブライドルレザーを採用し、ファスナーはシルバー色を採用しました!

販売ページはこちらから!

なお、塩原レザーは大量生産方式ではなく、1品1品拘った製品製作をしております。

これにより、販売ページにて「在庫切れ」の場合がございます。

同じ革やファスナーなど資材に在庫がある場合には、同じ仕様にて、製品を改めて製作をさせていただきます。

1週間程度お時間をいただければ、発送準備が整いますのでお気軽にお問い合わせください!

お問い合わせはこちらから

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、数年ぶりに入荷をしたホーウィンコードバンのバーガンディ色に関連した内容をお伝えしました。

同素材のミニ財布なども近日中に製作をする予定です!

完成しましたら、改めてご紹介をさせていただく予定ですので、またお読みいただければ幸いです。

なお、今回の製品製作を前に、入荷直後の1枚革を使用して特集記事を製作をしました。

よろしければ、こちらもご参照いただければと思います!

ホーウィンコードバンの伝統カラーであるバーガンディ色(#8)が入荷しました

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