新たにホーウィンコードバンの#2色を使用して、ラウンドファスナー財布を製作しました。
今回は、ファスナーのカラーをそれぞれ変えて同時に2つの財布を製作しました。
ファスナーの金具の色によって製品の印象が変わることを画像と共に解説したいと思います。
また、ホーウィンコードバンの#2色など淡いカラーは、観る角度によって色味が変わることも解説します。
初めて当サイトにお越しいただいた方もいらっしゃると思います。
このサイトを運営する塩原レザーについても紹介しておりますので、よろしければご覧ください!
メイン素材のホーウィンコードバンの#2
今回のラウンドファスナー財布のメイン素材は、ホーウィン社製シェルコードバンの#2色です。
この#2色は、巷での流通量は比較的少なくレアカラーに分類されるほど入手困難な素材です。
また、ホーウィンコードバンはオイル仕上げということもあり染まりにくい特徴があります。
均一に染めたとしても、気温や湿度などによって色味が揮発することもよくあり、それぞれのパーツによって見た目が変わることがよくあります。
今回は2品同時に作るのでそれぞれのパーツを並べて製作前に撮影しました。
上記の画像は、同じ1枚革からパーツ取りを行ったラウンドファスナー財布の外側用パーツです。
同じ1枚革でも、色味にややムラがあるのをご覧いただけると思います。
ブラックやネイビー、ダークコニャックなどの濃いカラーの場合はそこまでムラを感じることはありません。
しかし、この#2色やバーボンなど淡いカラーになるとそれぞれの見栄えが変わってきます。
製品購入時のアドバイスとして、あまり色味具合に拘らないことをおすすめします!
これは、購入後の日常使いによってオイル抜けと同じように色味も徐々に抜けていくからです。
定期的な手入れの際に、染料が入ったワックスを使用しお好みの色味にしていくことが重要です。
続いて、カネ面(背面側)の画像です。
右側のパーツには、1枚革の大きさを表すスタンプが確認できます。
カネ面は表面の染料液が付いていることがありますが、基本的に生成り色です。
背面側に表面の色味とは全く違うダーク系の色味が付いていたりしますが、これは異常なことではなくよくあることです。
なお、ホーウィンコードバンのカラーについて詳しく解説をした特集記事がございますのでよろしければご参照ください。
ホーウィンコードバンは観る角度によって色味が変わる
上記の画像は、ホーウィンコードバンの#2色の本体外側のパーツです。
この#2色や#4色などの淡いカラーは、観る角度によって色味具合が変化します!
これは、コードバン特有の繊維向きやオイル仕上げの製法が関係しています。
コードバンの繊維は、上記の画像のように見た場合は目線の方向(奥の方に向かって)に繊維が走っています。
牛革などは繊維が横に走っているため光の屈折が一定になりやすいです。
しかし、オイル仕上げのコードバンの場合は色味が染め付きずらいことに付け加えて、艶出し加工の際に繊維の先端を強制的に押さえ付け表面をスムースにします。
このような工程を経ているため、繊維の先端の向きなどによって色味の見栄えが変わります。
上記画像は、左側に傾けて撮影をしたパーツです。
正面で撮影した場合と比べて、左側のパーツは特に淡く見え、右側はやや濃く見えます。
そして、右側に傾けて撮影した画像です。
(パーツは左右入れ替えておりません。)
今度は濃く見えていた右側のパーツが淡く見えます。
左側のパーツは、右側に傾けた時とは大きく違って、#4色やアルマニャック色に見えるほど濃く見えます。
このようにホーウィンコードバンの淡いカラーは、観る角度によって色味の見栄えが変わります!
製品選びの際には1枚の画像や一定の角度だけではなく、複数の角度や画像で見比べることをおすすめします。
金具の色によって製品の印象が変わる
今回は2品同時の製作ということで、シルバー色とゴールド色のファスナーを使用してそれぞれ1品ずつ製作しました。
塩原レザーでは、ファスナーを使用する製品には見た目の印象が変わるため、シルバー色とゴールド色の2色展開をしています。
一般的にゴールド色はシルバー色に比べて高級感のある見栄えになると言われています。
また、ゴールド色はファスナー自体が目立つ印象です。
それとは逆にシルバー色のファスナーは、あまりファスナー自体が目立ちにくい印象があります。
この特徴から革素材を際立つ見栄えにしたい場合には、シルバー色の方がより良い選択だと思います。
ファスナーの色味は、それぞれの好みでお選びいただければと思いますが以下のような特徴もあります。
革のカラーによっても印象が変わり、ブラウン系にはゴールド色のファスナーがよく合います。
また、ブラックやネイビーの革のカラーにはシルバー色の方が全体的なバランスが良く落ち着いた印象です!
なお、統計的に塩原レザーでは、ゴールド色のファスナーを採用した製品の方がやや人気が高い傾向にあります。
完成した#2色のラウンドファスナー財布
上記の画像は、完成したラウンドファスナー財布です。
当ページの冒頭からお伝えをしてきた通り、同じ素材の財布でも各パーツや金具の色によって、製品の印象が変わるのをお分かりいただけたのではないかと思います。
この情報をもとに、より良い製品選びにお役立ていただければ幸いです!
なお、完成した製品はすでに当サイト内にて販売を開始いたしました。
ゴールド色のファスナーを合わせたラウンドファスナー財布です。
以下のリンク先にて販売をしております。
シルバー色のファスナーを合わせた仕様のラウンドファスナー財布です。
以下のリンク先にて販売をしております。
また、各製品ともに1個の販売となっております。
販売ページにて「在庫切れ」となっている場合は、革の在庫がある場合に限り同じ仕様にてご注文を承ります。
その際は、お気軽にお問い合わせください。