コードバンの製造で言わずと知れた「新喜皮革社」ですが、そのコードバンは種類がありそれぞれ特徴が異なります!
ということで、今回は日本が世界に誇る数少ないタンナーとして有名な「新喜皮革社」について、コードバン専門店である塩原レザーの塩原朋和が詳しく紹介したいと思います!
この特集記事を最後までご覧いただきますと、以下の内容が分かります。
- 新喜皮革社とは
- 新喜皮革社が製造するコードバンの特徴
- オイル仕上げコードバンの特徴とカラーサンプル
- 顔料仕上げコードバンの特徴とカラーサンプル
はじめて当サイトへお越しいただいた方もいると思います。
本題に入る前に、この記事を書いている塩原レザーについて簡単にご紹介をさせていただければと思います。
2008年にブライドルレザーの専門店として塩原レザーは創業しました。
2016年からはコードバンを定番素材に加え、ブライドルレザーとコードバンの専門店として運営しております!
コードバンもブライドルレザーも、製造をする業者や仕上げ方法によっても風合いや印象など素材感が異なります。
塩原レザーでは10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、製法にも拘って製品の製作を日々行っております。
なお、塩原レザーについてより詳しいページは下記のリンク先からご覧いただけます。
新喜皮革社とは
新喜皮革社は、日本の皮革産業の中心地である姫路に所在しています。
創業は1951年で、70年の歴史を誇り日本が世界に誇るタンナーとして知られています。
また、同社はコードバンの製造で有名ですが、馬革を全般的に製造しており、ボディ部分の革はフライトジャケットの素材などに採用され、愛好家の多い革を製造しております!
新喜皮革社が製造するコードバン
新喜皮革社の特徴は、タンナーとして原皮から革へとなめす工程から仕上げ工程までを一貫して行い、細かく分ける多くの種類のコードバンを製造しております。
大々的に長期間、一貫してコードバンを製造している業者は、同社と日本の長野県に所在する宮内産業、アメリカのホーウィン社の3社が有名です。
近年では、台湾や香港などを含めた中華圏の地域でも希少性の高さから注目され、入手が年々困難になっております。
なお、新喜皮革社が製造するコードバンは、大きく分けてオイル仕上げと顔料仕上げの2タイプです!
オイル仕上げのコードバンの中にも種類があり、スタンダードタイプや表面のグレージングを強めに加工されたタイプなどがあります。
このオイルコードバンは、主に靴や財布を含めた革小物の素材として多く採用されています。
そして、顔料仕上げのコードバンにも種類があり、スタンダードタイプの他に表面に蝋引き加工を施したタイプなどがあります。
顔料仕上げのコードバンのほとんどは、高級ランドセルの素材に使用されています!
オイル仕上げのコードバン
オイル仕上げのコードバンは、革の芯まで染め付けを行う「芯通し加工」で製造されています。
塩原レザーでは、主に表面に光沢感があり、きれいな見栄えのグレージングタイプを採用しております!
グレージングタイプは、他の業者が製造をするオイル仕上げコードバンに比べて、さらっとした風合いで重たい印象もあまりないのが特徴です。
ただし、水滴を垂らすと徐々に革へ水分が浸透し「水ぶくれ」を起こします。
上記が表面に水滴を垂らした画像です!
色は乾燥と共に徐々に戻ってきますが、水滴が繊維に浸み込んだ部分とそうでない部分は明らかに分かるほどの跡が残ります。
手入れの際も、水分が含まれたクリームよりもワックス類でのメンテナンスをおすすめいたします!
長くご使用いただいていると、革に油分が足りなくなるのでオイルを補給するになりますが、表面が曇る場合があるので見栄えを変えたくない方は注意が必要です。
なお、オイルコードバンについて、より詳しい特集記事がございますのでよろしければご覧ください。
カラーサンプル
塩原レザーで取り扱っているグレージングタイプのオイル仕上げコードバンのカラーは、以下の8色です。
ブラック
オイル仕上げのコードバンのブラックは、一般的なブラックの色味ですが透明感と光沢感がありきれいな表面です。
ネイビー
オイル仕上げのコードバンのネイビーは、濃くもなく薄くもなくブラックとは明らかに色味の違いが分かるネイビー色です。
グリーン
オイル仕上げのコードバンのグリーンは、一般的に連想するグリーンよりも薄めの色味で、経年変化によって色が濃くなってきます。
バーガンディ
オイル仕上げのコードバンのバーガンディは、赤みが加わったダークブラウンの見栄えで品がある色です。
アンティーク
オイル仕上げのコードバンのアンティークは、ブラウンにオレンジを混ぜたような印象で発色が良い色味です。
コーヒーブラウン
オイル仕上げのコードバンのコーヒーブラウンは、ブラウンというよりもキャメルに近い色味でエイジングによって色の深みが増してきます。
コニャック
オイル仕上げのコードバンのコニャックは、キャメル色を薄くした印象の色味でエイジングによって深みのある色へ変化します。
ナチュラル
オイル仕上げのコードバンのナチュラルは、きれいな生成り色でエイジングによって飴色へと変化していき育て甲斐のある色です。
顔料仕上げのコードバン
コードバンは、手入れが難しいと言われる素材です。
しかし、この顔料仕上げのコードバンは日頃のメンテナンスをほとんど必要としないため、人気傾向にある素材です!
特にランドセルに使用される素材として、知名度が高いだけではなく、耐久性は抜群に良いです。
なお、顔料仕上げはコードバンの表面に顔料を載せる製法で染め付けをされています。
そのため、コードバンの素材自体は生成り色をしており、非常に硬く張りがあるのが特徴です!
上記の画像は、顔料仕上げのコードバンの表面に水滴とオイルを垂らした画像です。
10分、20分と時間を置いても、ほとんど浸透することはありません。
水分は多少の浸透をしますが、時間が経過しても水ぶくれの跡が残ることもなく、コードバンの中では一番扱いやすい素材です。
10年ほど前から、ブライドルレザーのように表面に蝋引き加工を施した顔料仕上げのコードバンもあります!
革への影響としては、より防水性が高まるぐらいです。
どちらかと言えば、見た目の風合いを楽しむために蝋引き加工がされていると思っていただければと思います。
なお、表面の蝋分はブライドルレザーと同じように、ご使用いただいている間に徐々に落ちてきます。
蝋が落ちた後は、スタンダードタイプの顔料仕上げのコードバンと同じ素材です。
また、顔料仕上げのコードバンについて、より詳しい特集記事がございますのでよろしければご覧ください。
カラーサンプル
塩原レザーで取り扱っている顔料仕上げコードバンの蠟引きタイプは2色です。
スタンダードタイプのカラーは5色の取扱いです!
蝋引きブラック
蝋引きタイプの顔料仕上げコードバンのブラックは、蝋が表面から採れると色味は一般的なブラックですが表面はマットな風合いです。
蝋引きダークブラウン
蝋引きタイプの顔料仕上げコードバンのダークブラウンは、蝋が表面から採れると色味は日本人が連想する一般的なダークブラウンの色味です。
ブラック
顔料仕上げのコードバンのブラックは、一般的なブラックの色味ですが表面はマットな風合いです。
ネイビー
顔料仕上げのコードバンのネイビーは、どちらかと言えば濃いめのネイビーの色味です。
ダークブラウン
顔料仕上げのコードバンのダークブラウンは、日本人が連想する一般的なダークブラウンです。
アンティーク
顔料仕上げのコードバンのアンティークは、赤にブラウンと混ぜたような印象の色味です。
レッド
顔料仕上げのコードバンのレッドは、朱色に近い発色の良い色味です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、新喜皮革社についてご紹介をさせていただきました。
なお、新喜皮革社以外にもコードバンを製造する業者はあり、下記の特集記事にてご紹介しておりますので、よろしければご参照ください。
また、当方で製造する新喜皮革社製のコードバン製品の一覧は下記のリンク先にてご覧いただけます。