オイル仕上げコードバンを使用した製品が、どのようにエイジングをしていくのか気になる方もいらっしゃると思います。
特にコードバンには種類があり、それぞれの仕上げタイプによって個性が出ます。
製品の購入をご検討されている方は、ある程度、エイジングの状態を購入前に知りたいという方も多いと思います。
そこで、今回はコードバン専門店である塩原レザーの塩原朋和が、実際に製品を使用して使用開始からエイジングの状況について解説していきたいと思います。
この特集記事を最後までご覧いただきますと以下の内容が分かります!
・エイジングを観察する製品の詳細
・製品の使用開始前の状態と使用する環境
・使用開始の数日のエイジング状態
・エイジング2週間目の状態
・エイジング10か月目の状態
はじめて当サイトへお越しいただいた方もいらっしゃると思います。
本題に入る前に、この記事を書いている塩原レザーについて簡単にご紹介をさせていただければと思います。
2008年にブライドルレザーの専門店として塩原レザーは創業しました。
2016年からはコードバンを定番素材に加え、ブライドルレザーとコードバンの専門店として運営しております!
コードバンもブライドルレザーも、革を製造をする業者や仕上げ方法によって、風合いや印象など素材感が異なります。
塩原レザーでは10年以上に渡って製品を製作しており、素材や製品について最前線で日々観察をしているので信用していただける内容だと思います。
なお、塩原レザーについての詳細は、下記のリンク先にてご覧いただけます!
エイジングを観察する製品の仕様と詳細
今回、オイル仕上げコードバンのエイジングの状態をご紹介するために、下記の製品を使用したいと思います。
ホーウィン社製シェルコードバンの二つ折り財布(小銭入れなしタイプ)
・製作:塩原朋和 作
・素材:
本体外側/ホーウィン社製シェルコードバン
内側/セドウィック社製ブライドルレザー
・カラー:
コードバン/#4
ブライドルレザー/コンカー
・ミシン縫製糸:ダークブラウン
・カードスロット:3段3枚収納仕様×2か所
※カードスロットの後ろ面にカードを横スライドして収納するスペースあり
・サイズ:縦約9.5 cm×横約11 cm(二つ折りの際のサイズ)
使用開始前の製品の状態と使用する環境
製品の使用を開始する前に製品の状態と使用用途などについて解説します。
新品時の製品の状態
ホーウィン社製シェルコードバンのブラウン系カラーは、それぞれ色味の濃淡に若干の差があります。
今回の#4色は、標準の色味よりもやや濃い目で、艶感については標準的です。
1か所凹み傷がありますが、全体的なバランスはよく、定期的に補色や革への保革の手入れを行えばきれいにエイジングするのではないかと思います。
製品の使用を開始するにあたって、ワックス掛けなどは行わずにそのままの状態で使用を開始したいと思います。
また、内側はセドウィック社製ブライドルレザーを合わせていますが、ブルームはそのまま磨かずに製品を開始します。
製品を使用する環境
・使用用途:日常使い
・使用頻度:毎日
・収納場所:カジュアルズボンの後ろポケット
・カード収納:ひな壇に左右合計6枚、ひな壇の背面にそれぞれ5枚程度
・メンテナンス:革の状態に合わせて補色や保革
エイジング初期の状態
製品の使用開始は、湿度と気温の高い夏場です。
この時期は、突発的な雨や湿気によってコードバン特有の水ぶくれや革の曇りがよく起こります。
また、製品に触れる手にも汗など水分が付いていることがあるため、使用開始1か月間は気を使いながら使用したいと思います。
使用開始1日目
使用開始1日目は、財布として革が馴染んでいないため、使いにくさはあるものの、オイル仕上げコードバンの特徴である独特のしなやかさで、手に吸い付くような触り心地です。
1日中、雨が降っている中の使用開始でしたが、特にコードバンの表面が曇ることもなく順調な使い始めです。
使用開始3日目
使用開始3日が経過しました。
紙幣やカードの収納によって、厚みが出る部分は革が順応して盛り上がり、財布らしい形が付いてきた印象です。
特にひな壇のカード収納については、ひな壇の左右の端がカードの形状にあわせて革が形付いてきた為、取り出しやすさを実感しています。
コバについては、オイル仕上げコードバン特有の柔らかさから新品時の状態を維持するのは難しいですが、まだ新品時の状態を維持している印象です。
エイジング2週間目の状態
使用開始2週間が経過しました。
使用開始直後よりも、さらに財布として革が馴染んできた印象です。
革の表面にシワが付くこともなく、傷もついていない状態で、新品に限りなく近い状態です。
湿気が多い季節の使用ですが、表面の艶なども新品時と変わりなく、つるっとした触り心地を維持しています。
エイジング10か月目の状態
製品を使い始めて約10か月が経過しました。
使い始めは革の内部に十分なオイル分が入っているため表面の光沢感を保つために、この10か月の間にクリームによる手入れを1回だけ行いました。
その甲斐もあって表面の艶感は新品時と同じかそれ以上に良い状態のように思います!
オイル仕上げコードバンの特徴でもある色抜けは、あまり感じない印象です。
財布をズボンのポケットから取り出す際に、革に指の爪が当たり細かい傷がありますが全体的には非常に綺麗なエイジングをしていると思います。
椅子に座る際などに付いてしまう凹み傷が1カ所ありますが、このままあまり気を遣わずに使用していこうと思います!
ちなみに内側のブライドルレザーのブルームは、擦れる部分以外はほとんど残っている状態です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、オイル仕上げコードバンのエイジングについて、ご紹介をさせていただきました。
今後、定期的に製品のエイジング状態を更新しますので、またご覧いただければと思います!
この情報をもとに、ご自身の製品も長く良い状態でご愛用いただければ幸いです。
オイル仕上げコードバンについて、詳しく解説をした特集記事もございますので、よろしければご覧ください!
また、コードバンについて総合的にまとめた特集記事もございます。