ブライドルレザー製品を長く良い状態でご使用いただくには、定期的な手入れを行うことをおすすめいたします!
このページをご覧いただいている方の多くは、ブライドルレザー製品に最適な蜜蝋ワックスのご使用方法を検索しているのではないかと思います。
そこで今回は、ブライドルレザーの専門店である塩原レザーの塩原朋和が準備するものから実際の手入れ方法を紹介したいと思います。
先に今回のページを簡単にまとめると以下の通りです。
- 事前に準備するものは、手入れする製品、蜜蝋ワックス、Tシャツのハギレ。
- 蜜蝋ワックスの手入れ方法!
- ワックス掛け後、30分ほど浸透するまで待つ。
- 乾拭きをして完了!
一度、覚えてしまえば簡単に行うことができますので是非、ご参考にしていただければと思います。
本題に入る前に、この記事の信頼性を高めるために塩原レザーについてご紹介させていただければと思います。
2008年にブライドルレザー専門店として塩原レザーは創業しました。
ブライドルレザーの本場である英国からさまざまな業者が製造をした本物のブライドルレザーに触れてきました。
それぞれ同じブライドルレザーといっても、製造をする業者や部位によっても風合いや印象が異なります。
当方では10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、ブライドルレザーの入手から製品作り、情報提供まで一貫して運営をしております。
また、ブライドルレザーを日頃から愛用するユーザーの一人でもあるので、作り手側からの視点とユーザーさんの視点から信頼できる情報をお届けできると思います。
なお、当方について詳しく知りたい方は下記のリンク先をご参照ください。
手入れを行う前に準備するもの!
今回の蜜蝋ワックスによる手入れ方法を行う前に準備するものは以下の通りです。
- メンテナンスを行うブライドルレザー製品
- 蜜蝋ワックス
- 手入れ用のクロスやTシャツのハギレ
- (ほこり落とし用のブラシがあれば便利!)
Tシャツのハギレについては、新品のTシャツではなく使い古したものの方がおすすめです!
(新品のTシャツは、糊などの成分が繊維に付いている場合があるので。)
なお、新品のブライドルレザー製品を使用開始してから3、4ヵ月以内の製品は、ご使用状況にもよりますが必要ないかと思います。
ブライドルレザー製品の手入れが必要な状況について、解説した記事がございますので、よろしければ下記のリンク先よりご参照ください。
蜜蝋ワックスの手入れ方法!
蜜蝋ワックスでブライドルレザー製品を手入れする目的は、主に革の表面と乳頭層(表面から0.7mmあたりまでの層)への油分による潤いを補給するという考えと、革の表面を輝かせることのを目的に行います。
では、実際の蜜蝋ワックスによる手入れの方法を解説していきたいと思います。
なお、蜜蝋ワックスについては、塩原レザーで製造販売するワックス類とセドウィック社製のワックスを対象にしたものです。
その他の蜜蝋ワックスについては、ご使用方法が異なる場合があるので、詳しくは製造メーカーにお問い合わせください。
ブライドルレザー製品のホコリを落とす!
ブライドルレザーに付いているホコリなどは、ワックス掛けを行うとワックスと混ざり玉になってしまうので、Tシャツなどで落としてください。
見落としがちな場所としては、ステッチの溝の部分です。
ブラシなどをお持ちの場合には、ご使用いただくことで簡単にきれいに落とせます。
また、歯ブラシなどでステッチ部分をブラッシングすることも有効的です!
ただし、強く磨き過ぎると糸がほつれる可能性があるのでご注意ください。
Tシャツのハギレに少量ずつワックスを馴染ませる!
ワックスの蓋を開け、Tシャツに少量ずつワックスに馴染ませてください。
一度に大量に行うと、実際に製品へワックス掛けを行った際に、革製品の溝やステッチにワックスが入り込んで取れなくなってしまいます。
製品へのワックス掛けは、ワックスが浸透したTシャツで行う感覚です。
ワックスの塊りを製品の一部に置くような形で行うと、仕上がりにムラや明るい色の場合はその部分だけ色が濃くなってしまうことがあります!
薄く延ばすイメージで製品に塗り込む!
複数の製品を手入れする場合には、順番にワックス掛けを行っていきますが、その場合は明るい色の革から行ってください。
濃い色のブラックなどからキャメルなどの色へワックス掛けを行った場合、濃い色が明るい色の製品に移る場合があるのでご注意してください!
また、濃い色から明るい色へワックス掛けを行う場合は、新しいTシャツのハギレ部分に改めてワックスを浸透させてワックス掛けを行ってください。
下記の画像は、全体的にワックス掛けを行った後の画像です。
製品に塗り込む際のポイントと注意事項!
製品が折れ曲がる部分などは、油分や水分が抜けやすい部分ですので入念にワックス掛けを行ってください。
なお、財布などにカードを収納するひな壇部分がありますが、ここは必要に応じて行ってください。
考え方は、本体外側の擦れる部分などを100と考えた場合に、対象箇所がどれぐらい革に負担が掛かっているかです。
簡単な見分け方として、新品の状態のブルームがどれぐらい残っているかです。
表面にブルームまたはグリースの元となるグリースが残っている場合には、あまり負担が掛かっていないので、ワックス掛けは行わなくても大丈夫です。
頻繁に手入れを行うことで、革が伸び型崩れの恐れもあります!
また、大型製品でも小物でも、それぞれ床面やコバ、縫製箇所などがあります。
床面については、毛羽立ちが目立つ場合には蜜蝋ワックスでの手入れではなく、床面専用の溶剤で毛羽立ちを抑え込む手入れ方法で施すことをおすすめいたします!
コバについては、染料が落ちていて染色を行いたい場合は、ワックスを使用する前に綿棒などで染色しておいてください。
ワックス掛けを行った後に染色加工を行っても、染まらない可能性が高いです。
手縫い縫製やミシン縫製を問わず、糸にワックスを塗り込むことで糸が纏まり強度が増しますが、糸の色が濃い見栄えになる可能性があります。
馴染ませるために30ほど待つ!
無事にワックス掛けが終わりましたら、触れずに30分ほど放置しましょう。
上記の画像は、30分ほど経過したブライドルレザー製品です。
ワックスによる手入れは、革の深部まではワックス成分が浸透することはありませんが、30分ほど置くことで乳頭層と呼ばれる表面に近い部分の層に浸透します。
この置き時間があることで、表面にワックス成分の持ちがよくなります。
ワックスが馴染んだのを確認して乾拭きをする!
ワックス成分が革へ浸透すると、ブライドルレザーの表面はマットな状況か、それに近い状態になっていると思います。
また、製品を触ってもワックス掛け直後よりも、さわり心地がサラッとしていると思います。
この状態になったら、Tシャツのハギレの新しい部分を使用して乾拭きをしてください。
なお、この乾拭きを行わないと革が呼吸できずに、内側などにカビが生えることがありますので注意してください!
下記の画像は、左側が乾拭きをしていない部分で、右側が乾拭きした部分です。
乾拭きを行うと、手入れを行う前と後では革の張りや艶が変わっているのをご実感いただけると思います。
この手入れ方法をご使用状況によって繰り返すことで、より良い状態で製品を長くご使用いただけると思います。
なお、手入れの間隔については、それぞれ製品やそのユーザーさんによって異なりますが、下記のご使用方法の近い状況をご参考にしていただければと思います。
- ズボンの後ろポケットなどに収納して使用する財布や小銭入れなどは2、3ヵ月に一度
- バッグ類に収納して持ち歩く財布や手帳、名刺入れなどは半年に一度
- 外で毎日のように持ち歩くビジネスバッグなどは3ヵ月に一度
- 毎日のように使用するショルダー部位などを使用したベルトは半年に一度
- 毎日のように使用する油分の多く含んだベルトなどは一年に一度
※手入れの行い過ぎは、逆効果を生むことになりますのでご注意ください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
巷で人気のブライドルレザーを使用した製品をより良い状態でご使用いただくためには、日頃からの手入れを行うことをおすすめいたします。
また、今回ご紹介させていただきました塩原レザーオリジナル蜜蝋ワックスは下記のリンク先より販売しております。