ブライドルレザーを使用した革製品の中でも1,2を争うほど人気のラウンドファスナータイプの長財布。
近年、その人気ぶりから偽物のブライドルレザーを使用した製品まで出回るようになりました。
このページをご覧いただいている方の多くは、ブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布の購入をご検討中されているのではないかと思います。
そこで、今回は失敗しない製品の選び方という点と、当方で製造販売しているラウンドファスナー長財布の紹介という両面を踏まえて、ブライドルレザー専門店である塩原レザーの塩原朋和が徹底解説します!
先に結論からお伝えしますと、ブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 製品の使い勝手の良さ
- 誰が製品を製作しているか
- ブライドルレザーがどのパーツに使用されているか
- ブライドルレザーはどこのタンナーが製造したものか
このポイントを抑えると失敗しない製品選びができると思います!
本題に入る前に、この記事を書いている塩原レザーについてご紹介させていただければと思います。
2008年にブライドルレザーの専門店として塩原レザーは創業しました。
ブライドルレザーの本場である英国から、さまざまな業者が製造をした本物のブライドルレザーに触れてきました。
それぞれ同じブライドルレザーといっても、製造をする業者や部位によっても風合いや印象など素材感が異なります。
塩原レザーでは10年以上に渡って製品を毎日のように製作しており、ブライドルレザーの入手から製品作り、情報提供まで一貫して運営をしておりますので信頼できる情報をお届けできると思います。
製品のご購入を検討中の方は、是非、この情報を活かして失敗しない製品選びにお役立ていただければと思います。
ラウンドファスナー長財布のデザイン
ここ10年ほど、財布類の中で一番人気のデザインといっても過言ではないラウンドファスナー長財布。
その中でもブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布は、世界的に人気のため多くの国で作られています。
しかし、各国によって紙幣の大きさが異なり、日本の紙幣はユーロや米ドルよりもサイズが大きいのをご存知でしょうか!?
日本の紙幣を入れることを想定していない場合、使い勝手が悪いことがあるので日本製の製品をおすすめします。
塩原レザーでも創業当初からラウンドファスナー長財布の製作を行っており、これまで一番多く製作してきた製品といっても過言ではない逸品です。
また、定期的に使い勝手がより良くなるように製品の見直しを行い、ブライドルレザーという非常に硬い素材を使用したラウンドファスナータイプの長財布の良さを最大限に引き出す努力をしております。
製品全体のサイズ
長財布の特徴として、デメリットにもなりうる全体のサイズ感から話を進めていこうを思います。
塩原レザーで製作をするラウンドファスナー長財布は、横20 cm×縦9 cmを基準サイズとしております。
これは製品開発時にモニター販売を行い、お届け後のアンケートに基づいて最適なサイズがこのサイズだということ導き出しました。
メンズ向け製品の場合、長財布を使用するシーンとしてバッグの中に入れてご使用いただくことも多いと思います。
しかし、圧倒的に多いのがズボンの後ろポケットに入れて持ち歩くことが多いため、全体のサイズは非常に重要な要素となります。
ズボンの後ろポケットに入れてご使用いただくには、製品の厚みにもよりますが縦幅は9 cm前後が最適です。
全体のサイズを小さくすればするほど、持ち運びという面では使用勝手が良くなります。
ただし、全体のサイズ感を小さくすると、内側に収納するカード類の出し入れやお札の出し入れに影響を及ぼします。
上記より、塩原レザーではズボンの後ろポケットにも収納でき、かつ内側の使用勝手が悪くならない最適なサイズを念頭に製品を製作しております。
カードを収納するひな壇
ラウンドファスナー長財布のよく見掛けるデザインとして、内側の壁側にカードを収納するひな壇を備え付けた製品をよく目にします。
しかし、壁側にひな壇を備えつけた場合、カードを取り出す時に本体外側のファスナーが内向きの為、カードが引っ掛かってしまい使い勝手が悪くなります。
そこで、塩原レザーのラウンドファスナー長財布は、内側の壁とひな壇の間にマチを付けて、ひな壇のパーツが内側に浮いた状態のデザインとなっております。
このデザインにより、カードがファスナーに引っ掛かることはなく、親指でカードを取り出しながら他の指でひな壇を押さえることができ使い勝手が良くなります。
また、ひな壇は3段仕様にした場合、厚みが増し2段目、3段目のカードの出し入れが極端に悪くなります。
そこで塩原レザーでは2段4枚のカード収納の仕様にし、なおかつ各カードの収納幅を多めにとっている為、指がカードに振れやすく取り出しやすいデザインとなっております。
ひな壇は小銭入れの左右に2か所あり、合計8枚のカードを収納できます。
収納場所が足りない場合には、小銭入れとひな壇の間のフリースペースにカードを収納することで、全体の厚みを抑えつつ管理することができます。
見やすく管理しやすいお札入れ
一般的なラウンドファスナー長財布の多くが、中央の小銭入れとカードを収納するひな壇の間にお札を収納します。
このデザインの場合は、内向きのマチパーツが紙幣の出し入れの時に引っ掛かり使い勝手が悪くなる場合があります。
更に紙幣が邪魔をして、ひな壇のカードが見にくうという現象が生じます。
塩原レザーで製造するラウンドファスナー長財布は、ひな壇の項目でお伝えをした通り、ひな壇の背面がマチ付きのフリースペースとなっております。
ここにお札をいれていただくことで、紙幣の出し入れのしやすさと共にカードの見やすさを実現しております。
片側にマチが付いた小銭入れ
一般的な製品でよく見掛けるデザインとして、小銭入れの両サイドにマチがなく閉じている製品を多く見掛けます。
メンズ向け製品の場合はこのデザインはあまり向いておりません。
それは手の大きさから小銭が取り出しにくく、さらに中の小銭が見にくいからです。
この小銭入れの両サイトを閉じるデザインを採用する最大の要因は、製作時間の短縮とパーツ量の節約のためです。
塩原レザーのデザインは、上記の画像のように片側にマチを付けることで中の小銭がみやすく、マチで大きく開くため小銭の取り出しも行いやすくなっております。
お札などを収納するフリースペース
一般的な製品でよく見掛けるデザインのフリースペースは4か所前後だと思います。
その4か所とは、小銭入れとひな壇の間にそれぞれ1か所ずつ、そして、ひな壇の背面にそれぞれ1か所ずつです。
しかし、ひな壇の背面のフリースペースを使用する方は少ないと言われています。
これはひな壇の背面のフリースペースは中身が見づらく、出し入れの際に外側のファスナーが引っ掛かるという理由からではないでしょうか。
塩原レザーで製作をする製品の内側は、先の項目でお伝えした通りにひな壇の背面にマチが付いたデザインとなっているため有効的に使用できます。
また、マチの数が多いことから財布の開く角度が多いため財布全体が大きく開きます。
これによって中身も見やすく、各フリースペースから収納物が取り出しやすくなります。
ご使用についてはユーザーさんの自由ですが、当方では以下のようなご使用を想定をして製品のデザインをしております。
- ひな壇の背面スペースの片側に高額紙幣、もう片方に千円札
- 片側にお札、もう片方にレシート
- 片側にお札、もう片方にひな壇に入りきらないカード類
- 小銭入れとひな壇の間にポイントカードなどを収納
ラウンドファスナー長財布に対するブライドルレザー素材と購入予算
ブライドルレザーは硬めの革を言われていますが、皮革の中でも有数の硬い部類に属します。
硬い素材で作られた財布を好む方には、これ以上ない最適な素材といっても過言ではないほど硬く張りがあります。
長くご使用いただくことで革に少し柔軟性が高まりますがそれでも硬い素材といって間違いありません。
失敗しない製品選びをする際のポイントとして、どのパーツにブライドルレザーが使用されているかということを確認する必要があります。
価格の安い製品のほとんどが本体外側にブライドルレザーが使用され、内側は別の種類の革または化学繊維などで作られた製品が多いです。
これは単純な理由で、ブライドルレザーが高価な革で内側まですべてのパーツにブライドルレザーを使用して製品化をすると高額になるからです!
さらに近年、あまりの人気ぶりからブライドルレザー風の革を「ブライドルレザー」と称して販売していることがあります。
本物のブライドルレザーを使用した製品をお探しの方には製品を見極める知識が必要です。
ブライドルレザー専門店を運営している私として、すべてのパーツにブライドルレザーが使用されたラウンドファスナー長財布は圧倒的な満足感と高級感がありおすすめします!
塩原レザーでは、すべての革パーツにブライドルレザーを使用しており、どこの業者が製造したブライドルレザーかも1品ずつ記載しておりますので安心してご購入いただけます。
ブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布は、良さばかりが目立つ傾向にありますが中にはデメリットになりうる事柄もあります。
本物のブライドルレザーは英国などの本場から輸入する必要があり、輸送に掛かるコストや高額な関税が製品の価格に反映されるため高額な製品となってしまいます。
また、硬い革の多くのデメリットとして、表面に傷がついてしまうとその傷が取れないという一面があります!
傷に関しては目立たなくする方法はあるものの、完全に治すことはできないため製品のご使用には気を遣う一面もあります。
上記の説明を踏まえたうえで、製品価格の目安と製品のメリットデとメリットをまとめました。
購入予算の目安
ブライドルレザーの特徴を生かし製品の製作を行った場合、1人の職人がパーツの切り出しから完成まで行うと1日あたり1個の製作が妥当の生産数です。
日本人の平均年収は420万円前後と言われ、年間の休日を120日とした場合の1日の人件費は2万円弱となります。
ここに高価な革代と経費などを加えたとして、4万円前後の製品代金が日本製としては妥当な価格ではないないかと思います。
世の中には極端に安価な同デザインの製品もありますが、内側素材を化学繊維で作られていたり、海外で大量に作られた製品となる場合がほとんどです。
海外製品の中には金具にも偽物があり、壊れやすいと言われています。
長く良い状態でご使用いただける良い製品をお探しの方は、やはり日本人が製作した作り手もはっきりと分かる製品のご購入をおすすめします!
メリット
- もともと馬具用の皮革のため丈夫な製品である
- 人工的ではないブライドルレザー特有の硬さと張りのよい製品である
- 使い始めにはブライドルレザー特有のブルームが表面にある
- 使い始めるとブルームが徐々に取れ、エイジングによって革の表面の艶が増すなど育てる感覚で製品を使用できる
デメリット
- 本場英国のブライドルレザーは高級素材のため製品価格が高い
- ブライドルレザーは表面に傷が付くと基本的には取れない
- 高価な製品でより良い状態で使用するため定期的な手入れを必要とする
ブライドルレザー製品の価値を上げる仕様と製法
日本製の革製品は世界的なスーパーブランドの陰になりがちですが、世界的には評価が非常に高いです。
これは見た目だけではなく、細部まで拘った製法を駆使して製品作りをしているところにあります。
また、ここまで革について多くことをお伝えしてきましたが、より良い製品と出会うためには製品に使用されている金具なども良い製品か否かを決める重要なポイントとなります。
ラウンドファスナー長財布にはファスナーが使用されますが、ファスナーにもいろいろな種類があります。
以下は、塩原レザーで採用するファスナーや製法の細かい話です。
本体外周と小銭入れに使用される高級ファスナー
塩原レザーで製作しているラウンドファスナー長財布のファスナーは、YKK社の高級ファスナーとして有名ブランドでも多く採用されている「エクセラ」タイプを採用しております。
このファスナーはスタンダードタイプとは異なり、ムシと呼ばれる線路状に並ぶ金具が1つ1つ磨かれており滑らかな開け心地で見た目が非常にきれいなのが特徴です。
そして、このファスナーがきれいに見えるポイントとして、ファスナーが歪みなくきれいなライン取りされていることが重要です。
大量生産された製品の中には、このライン取りに統制がなく製品自体がゆがんでいることもあるので製品選びの際には注意が必要です。
塩原レザーでは内側の小銭入れにも、外側と同じ「エクセラ」タイプの高級ファスナーを採用しております。
なお、ちょっとしたことですがファスナーの向きについて、当方の製品は本体外側のファスナーを開いた後に最短でスムーズにファスナーを開けられるように最適な向きとなっております。
ミシン縫製によるステッチ
塩原レザーでは、手縫い縫製とミシン縫製の製品を製作しております。
ミシン縫製の製品は、主に既製品の製作に用いられ最新型の日本製工業ミシンを導入しております。
ミシン糸は細い糸ですが、ポリエステル素材で非常に丈夫なのが特徴で、当方では基本的に革の色に合わせて糸の色を選んでおります。
なお、縫製の始まりと終わり部分は、ほつれやすい部分です。
塩原レザーではその始まりと終わり部分を丈夫にするために、下記の画像のように手縫いで補強処理を施しております。
なお、創業当時から製造している総手縫いによるオーダーメイド製品は、フラッグシップモデルの別規格として製造販売しております。
高価な製品の代名詞であるコバの本磨き
革の側面部分のことをコバと呼びます。
このコバの仕上がり具合を見れば、その製品の完成度や価値、職人の製品対する思いなどがすべて見えるといっても過言ではないです。
製品選びをする際には、是非このコバの状態を確認していただければと思います。
コバの仕上げ方法にはいろいろな製法ありますが、ブライドルレザーという素材を使用した場合に最上位の仕上げ方法になるのが本磨きと呼ばれる製法です。
この本磨き製法は、タンニンなめし製法でなめされた革でなければできない方法で、革の表面を直接きれいに磨きあげます。
この本磨き製法は、革と革を貼り合わせた部分をきれいに削り、専用の溶剤を使用してきれいになるまで磨き上げます。
他の製法と比べ非常に多くの時間を要し、きれいに仕上げるためには本磨きの経験と各素材の特徴を熟知する必要があります。
塩原レザーはブライドルレザーの専門店として創業時から様々なブライドルレザーに触れているため、自信をもっておすすめできる仕上がりとなっております。
伝統製法で仕上げる床面加工
革の表面の反対側のことを床面と呼びます。
床面の加工については、革製品の製造メーカーによって仕上げ方は様々です。
塩原レザーの製法は、伝統的に馬具用品の製造などに用いられる床面を溶剤で磨く製法を採用しております。
この製法を取り入れることで、ブライドルレザー本来の風合いや硬さ、張りのよさをご実感いただけます。
長くご使用いただくことで、この床面が毛羽立つことがありますが、専用の溶剤で毛羽立ちを整えることができるので長くご愛用いただける製法であるとも言えます。
また、ブライドルレザーを製造する英国の業者さんによって、床面まで表面のカラーを染めたものから伝統的に表面だけを染める方法があります。
上記の画像の左側が一般的なブライドルレザーの床面である生成り仕様で、右側が表面のカラーを芯まで染めたブライドルレザーのサンプル画像です。
表面のカラーを床面まで染める方法を「芯通し」と呼び、この製法を用いた場合は、風合いが少し変わります。
これは染料が革の繊維層に入り込み、一時的に革全体の繊維が膨張します。その後、革を乾燥させることで繊維はもとに戻りますが、表面に血筋の跡などが目立ちやすくなります。
また、「芯通し」加工を行ったブライドルレザーは全体的に革が柔らかくなり、製品に触れたときの風合いが変わります。
塩原レザーで取り扱うブライドルレザーのうち表面のみを染めている素材と浸透し素材は以下の通りです。
表面みの染色をしている素材
- セドウィック社製ブライドルレザー
- メトロポリタン社製ブライドルレザー
- J.ベイカー社製ブライドルレザー
- クレイトン社製ブライドルレザー
本場である英国のブライドルレザーを使用した製品サンプル
本場英国のブライドルレザーといっても、製造をする業者によって革の硬さや見栄え、風合いなどがそれぞれ異なります。
ブライドルレザーの特徴とも言える「ブルーム」の見栄えもそれぞれ異なります。
更にはショルダー部位かベンズ部位などのように、製品に使用する革の部位によって硬さや天然素材らしいシワなどの特徴が変わります。
塩原レザーでは、主に1番人気のセドウィック社製ブライドルレザーのショルダー部位を使用したラウンドファスナー長財布をメインに製作をしております。
その他、1等級ベンズ部位を使用したメトロポリタン社などのブライドルレザーを使用して製品の製作を行っております。
なお、ブライドルレザーの細かい話にこちらのページをご覧ください。
セドウィック社製ブライドルレザー
世界中で人気のセドウィック社製のブライドルレザー。
革の製造枚数も多いことから、いつでも同じ品質で安定感が抜群の塩原レザーでは一番人気の素材です。
特にショルダー部位は張りがあってブライドルレザーらしい風合いです。
なお、1等級のベンズ部位も扱っていますが、限定入荷素材とさせていただいております。
メトロポリタン社製ブライドルレザー
仕上げ工程を専門に行うメトロポリタン社は、英国内の革製品の製造メーカーから評価が高くこちらが発注する際の様々な表面の仕上げに対応してくれます。
塩原レザーでは主に1等級のベンズ部位を扱い、伝統的な表面のみを染め、ブルームが多く噴き出しているのが特徴です。
1等級のベンズ部位はショルダー部位に比べ価格が高いので高級品となりますが、創業からこれまで観てきたブライドルレザーの中では一番おすすめの素材です!
ショルダー部位も扱っていますが、限定入荷素材とさせていただいております。
クレイトン社製ブライドルレザー
クレイトン社のブライドルレザーは、伝統的なトラディショナルタイプとモダンタイプの2タイプを製造しています。
トラディショナルタイプは、硬く伝統的なブライドルレザーの風合いで、ブルームは刷毛目の跡がきれいに出ることが多いです。(上記の画像はトラディショナルタイプです。)
モダンタイプは、ショルダー部位でも革が柔らかめで、ブルームは表面にスプレーで吹き付けた風合いの見栄えです。
また、クレイトン社のブライドルレザーは、その時々により床面は表面だけ染色されている場合もあれば芯通しの場合もあります。
ブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布の手入れ方法
ブライドルレザー製品をご使用いただくにあたって、日ごろの手入れは必須だという話があります。
しかし、日ごろのメンテナンスを行わなくても、一般的な革製品より長くご使用いただけると思います。
ただし、製品が高額であるため少なくとも、5年程度は使用したいと思われる方が多いのではないでしょうか。
製品をより良い状態で長くご使用いただくためには、定期的なワックス掛けを行うことをおすすめします。
おすすめの手入れ方法
ラウンドファスナー長財布は、ご使用いただいている状況によって手入れ回数や方法は異なります。
特に革や製品自体に負担が掛かるのが、ズボンの後ろポケットに収納してご使用いただいている場合です。
この場合は、製品が体型に合わせてゆがみ革への負担が掛かったり、ステッチがズボンの素材と擦れることが多いので糸がほつれる恐れもあります。
そして、夏場には人の汗が革に染み込み、そのままにしておくとカビが生えたりします。
・本体外側のワックス掛け
ラウンドファスナー長財布の手入れで、もっとも気にしていただくポイントは本体の外側です。
特に本体外側の底部分は日頃のご使用で革の表面が擦れやすい部分です。
ここを定期的にワックス掛けしていただくことで、表面が毛羽立つような革の劣化を防ぐことができます。
また、夏場は人の汗などが革に染み込むことがあるので、ワックス掛けをしていただくことで水分と油分の関係で防ぐことができます。
なお、塩原レザーのラウンドファスナー長財布は、底部分の縫製は糸が切れやすいのであえて縫製をしないデザインと仕様になっておりますが、縫製されている場合にはワックスを糸へなじませることで丈夫になり糸が切れにくくなります。
・ファスナーの手入れ
ファスナーの開閉を多く行ったり、逆に長く開閉をしなかった場合や濡れてしまった場合、ファスナーの開閉に滑らかさがなく、金属が擦れあうような感触を体感する場合があります。
これはファスナーの金属部分に油分が足りていない状態ですので、専用のスプレーオイルで油分の補給を行っていただければと思います。
この手入れを行わなずにご使用いただくと、ファスナー回りのテープへの負担が掛かります。
ファスナーのテープが破れてしまうと、ファスナーごと取り換える必要があり、ご自身では交換できないと思うのでメーカーへ修理依頼を行うことになります。
・本体内側の手入れに関して
内側に関してはそこまで気にする必要はなく、その時々によって必要に応じたワックス掛けなどを行っていただくことをおすすめいたします。
なお、小銭入れ内部の小銭による汚れについては基本的に洗い落す以外に特に有効な手段はありません。
小銭による汚れが気になる方は、製品選びの段階で革の床面まで表面のカラーが染まった「芯通し加工」をされたブライドルレザーの製品をおすすめいたします。
手入れをする際の注意事項
ブライドルレザーの手入れ方法は、基本的に一般的なヌメ革やサドルレザーなどとあまり変わりません。
しかし、表面が擦れ繊維がむき出しになっている状態で、ワックス掛けやブラッシングを行うと毛羽立ちがひどくなる場合があります。
その場合には、革へ栄養を補給するのではなく革の表面を整える手入れが必要になります。
ワックスやクリームでの手入れは、基本的に革へ栄養を補給することを目的に行っていると認識していただければと思います。
また、手入れのやりすぎは逆効果となる場合があります。
毎日、製品を使用してズボン後ろポケットに収納している財布など、革への負担が多い場合は2、3か月に一度を目安に手入れを行っていただくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
巷で人気のブライドルレザーを使用したラウンドファスナー長財布ですが、細かい視点で見るといろいろと確認するべく事柄があります。
製品購入をご検討されている方は、是非、今回の情報をご参考にしていただき、失敗しない製品と巡り会っていただくことを願っております。
なお、塩原レザーの製品は、販売ページにおいて1品1品それぞれ実際にお届けする製品の画像を掲載しております。
ブルームの状態や今回解説した案件をご確認いただけます!
ラウンドファスナー長財布の販売ページはこちらからご覧いただけます。